0%
Preloader image

ぼくは今日もけずれていく

名古屋市立明倫小学校 5年
大竹 美羽
表現ひょうげん細部さいぶませるちからがあり、すすめていくうちに、しっかりとしゴムに感情移入かんじょういにゅうさせられました。みじか文章ぶんしょうなかにいくつもの展開てんかいがあり、ハラハラワクワクとさせられつつ、最後さいごはホロリとかされる・・・。良質りょうしつなショートムービーをているようでした。
 ぼくは今日もけずれていく。
「ゴシゴシ。」
ぼくの持ち主は一生懸命色えんぴつでアサガオの絵を書いている。その葉に乗っているふざけて書いたカタツムリを、ぼくの体で消そうとしている。ぼくは思った。
「えんぴつには簡単に勝てるけど、濃く書い
た色えんぴつにはムリー。」
「ゴシゴシ。」
持ち主が力強く消すから、大事な紙をぼくがやぶきそうで、
「ドキドキ。」
「はやく消えろー。」
その怒鳴ったような声が聞こえたしゅん間、ぼくは浮いていた。
「あっ。」
持ち主のこまった顔が見えたその時、何かにあたった。ころがった先は一本の茶色の色えんぴつがいる場所だった。
「私は、消せなくて手ごわかったでしょ。」
「はい。そうでした。」
ぼくは、くやしかったけど、素直に負けをみとめた。
「そうでしょうね。私に勝てる消しゴムなんて見たことも聞いたこともないわ。」
自信満々にぼくを見下しながら言った。
とても腹が立った。すると、手がのびてきた。
「今度こそカタツムリをあとかたもなく消し
てやる。」
ぼくは心にちかった。だが…
拾われたのは茶色の色えんぴつだった‼
「バイバーイ。消しゴムくん。」
「ぼくがいないと困るのは持ち主なのに
…。」
キーンコーンカーンコーン 帰る時間だ。
ドタバタ ドタバタ ぼくはいろんな人にけられて心も体もボロボロ。皆、もういない。
「ぼくなんか、もう…。」
おもわず泣いてしまった。すると…
「どこだー⁉」
この声は!
「ここらへんに…あった。よかったー。」
持ち主はやっぱりぼくの事をわすれてなかったんだ。
「なんでこんなにボロボロなんだ?これからは大事にしないと。」
ぼく本当にこの人に買われてよかった。
  五ヵ月後…
「お前、その消しゴムどんだけ気に入ってる
んだよ。」
「まぁいいじゃん。」
ぼくの体は小さくなりすぎて使えない。
最後まで使ってくれてありがとう。
もし生まれ変われたら人間になって持ち主と友達になっていろんな絵を書きたいな。
次、持ち主に買われる消しゴムがいたら絶対に大切にされるだろうな。
絵が消せなかった事は唯一の心残りだけど、最後の最後まで使ってくれて本当に幸せだったな。次の消しゴムによろしく。またね‼
「ケシケシ。」
AllEscort
error: この作品は保護されています。