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パタパタプリンの
" ちょっと" 残念なお話

豊明市立三崎小学校 6年
小本 真梨子
オオカミ少年しょうねんはなしのオマージュですが、細部さいぶがよくけてまとまっています。店主てんしゅがとことん自分中心じぶんちゅうしんかんがえなのもおもしろいです。自分じぶんだけがあたまがよくて、他人たにんをばかにしていた店主てんしゅ最後さいご窮地きゅうちにたったときになにもできず、くしゅんとなる様子ようすにうかびます。
 ずっと未来のお話です。 
 あるところに、ケーキ屋の店主がいました。彼は一人でケーキ屋を経営しています。この店は、最初のころは繁盛していましたが、向かいにある店が、「カロリーゼロマカロン」というスウィーツを売り出してから、この店は全く繁盛しなくなってしまいました。
 ある日、店主はお客を呼ぶために、いいことを思いつきました。ペーパー号という飛ぶ折り紙に、
「食べると飛べる『パタパタプリン』明日新発売!」
とプリンのイラストを描いて、それで紙飛行機を作って、近所の人たちに送りました。
 翌日、なんと開店時刻三十分前、いや一時間前から並んで楽しみにしているお客さんが大行列で待っているのに、店主は何くわぬ様子で店のシャッターを開けました。並んでいる客達は「パタパタプリンとは、いったいどのような食べ物なのか。」とショーケースを必死で探していました。でもパタパタプリンなどという商品は並んでいませんでした。
「パタパタプリンなんてないじゃないか。僕はこの日のためにお金をためていたのに。嘘は泥棒の始まりだ!」とある一人の男の子が叫びました。でも店主は知らんぷり、男の子の声を無視しました。
 店主はこういう嘘を何度も繰り返しました。なぜなら、お客を店に呼び込みさえすれば、ほかのいつもの商品を仕方なく買ってもらえたからです。お客たちは、「今日こそは本当に新商品があるかも」と店に出かけ、そのたびにがっかりを繰り返しました。
 ところがある日、とうとう店主は食べると飛べるようになる、魔法のようなパタパタプリンを本当に開発したのです。このプリンのただ一つの欠点は、一日で腐ってしまうことですが、店主は「珍しい商品だから、すぐに売り切れるだろう。」とそんなことは気にもしませんでした。
 早速、またペーパー号で、パタパタプリンを宣伝しました。店主は「これはきっと大人気商品になって、私は大金持ちになるぞ。」とにやにやしながらつぶやきました。
 次の朝、店主がわくわくしながら店の外を見ても、客は一人もいません。いつも通り会社に行く人たちが眠そうに小道を自動ローラースケート(足を動かさなくても自動で進むローラースケート)で走っているだけで、ケーキ屋には見向きもしません。店主は信じられず、これは夢だと思い、自分の顔をひっぱたいてみましたが、それでもさっきと同じ光景です。店主が店の外に出てみると、宣伝に使ったたくさんのペーパー号がくしゃくしゃになって道のごみ置き場に捨ててありました。
 結局、誰も買ってくれないまま、パタパタプリンは一つ残らずくさってしまいました。
 
(おしまい)
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